正しいメッセージを正しい場所に。
ドライバーが無視したり情報不足だと感じたりしない程度にゆきとどいたメッセージを伝えよ。
雑然としていたり混乱の原因になったりしないよう、やたらに標識を増やさない。
道をたずねたり、メッセージを読むために減速したりしないという事実は、適切に整備された道路標識板の威力を証明している。
国内でもっともありふれた道路標識「一時停止」と「一方通行」を見てみよう。
大きな8角形で、赤地に白の大きな文字で書かれている。
これなら間違えようがない。
たとえ読めなくても、停止するだろう。
「一方通行」は、言葉とシンボルの完璧な組みあわせだ。
目の隅に飛びこんできたとしても意味がわかる。
矢印がドライバーを正しい方向に導き、減速や一時停止の必要もない。
路上ではアイコンという世界の共通語が使われている。
言葉を使わずに、知るべきことを教えてくれる。
ガスポンプのサインを見れば、あるいはフォークとスプーン、あるいは車椅子のサインを見れば、メッセージは一目瞭然だ。
移動中の人びとに情報を伝えるには、これが最善の方法だろう。
さらに、道路標識の場合、技術的な面でもほぼ完璧である。
区別しやすい色のコントラスト、文字は大きくて、照明も設置場所も適切である。
都会の地理学者として、ニューョークのロックフェラー・プラザの地下コンコースの方向案内の調査に参加した日々を思い出す。
そこではほかに方向を知るすべがないので、案内標識は非常に重要だった。
フィルムには、人びとが移動するうちに、迷子になったかと不安にかられ、あるいは分岐点にさしかかって困惑する様子が写しだされていた。
すると、彼らは首をひねり、足どりが重くなる。
そうなる直前が、彼らの迷いと不安を予防する方向案内を置くべき場所なのだ。
さらに、彼らは歩きながら他人にぶつからないよう、非常に気を使っていた。
だから、もし案内標識をさがしまわらなければならないとしたら、あるいはその文字が小さくて接近しなければ読めないとしたら、さらにまた文字が小さいか設置場所が悪ければ、歩行者はそれを読むことと進行方向を見定めることの両方ができない。
歩行者が減速したり足を止める原因はかならず、案内板がその役割をはたしていないためだというのが、われわれの結論だった。
このことが、歩行者とドライバーの共通点を教えてくれた。
どちらの場合も、最良の案内標識とは、すばやく読めるもの、そして移動しながら読めるものである。
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